はたして高校に友人と呼べる人物はいるのだろうか。
最近になってやっと、中学の頃と何が違うかが見えてきた気がする。つまり、中学には無かったが、高校になって急に発生しだしたものの正体、自分を苦しめる存在のかたちが分かってきたのである。その存在は、恐らく私が高校で出会う人の性質が主に作り出すものである。
彼らは周囲との関係を等閑にしている。彼らと話してみれば一聞瞭然。彼らと歩いてみれば一目瞭然。話す内容はすべて先生の話、授業の話。自分の身の上なんか話したがる者はいない。身の上を話すかと思えば、一寸空気を気遣ったような面白い思い出話。覚えていることが出尽くしたら、もう会話は御仕舞い。話すだけ話したら、一気に気のまずい顔に変わって冷めたようになる。はやく別れる時間がこないか、などという思いに駆られているのだろう。だから別れ際になると、とても彼らはあっけない感じで去ってしまう。たとえば帰りの方向が違うからという理由何かは非常にしめたものらしい。そのような外的要因が与えられれば、無理に絞り出していた話の内容を口にする必要もなくなり、ただ粗末な別れの言葉でとり繕ってしまえばそれで済んでしまうのである。
そのように分かりきった彼らの性質が厭わしくて仕方ない。何故あんなにも彼らは関わりを避けようとするのだろう。もう小学校や中学校で誰かと関わりをつくったから、もう要らないと云うのか。この学校ではただ学問に徹していればいいと思っているのか。
そんな者たちに囲まれ、私もそのような人種になってしまうのが恐ろしい。現在の自分を保っていかねばならない。
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