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2020/03/29 12:56 |
大学時代

初日の出を、富士山を背にして向かいの山の端に臨んで、友人の車で帰った。乗り物酔いし易い私は、ひだりの後部座席で寝させて貰った。誰にも言わなかった。だから、心地よい運転に身を任せたと思われたかも知れないし、ひとりにばかり運転させてと根に持たれたかも知れない。御殿場だったはずなのに、気がつくと、家から数分の神社であった。客の群れで煮えくり返っていたため諦めて、自宅前で降ろして貰った。

丸一日またいでの帰宅であった。疲れていたので寝たかったが、努力した。学問芸術論が途中である。机を照らして、休み休み読書した。長く続けたのでやがて日が暮れて、本を中止して、2日ぶりの風呂に入って、水で体を流すだけした。浴室を出たら冷食を温めた。

テレビを見た。床に布団を敷いた。きりのいい所まで読書した。もう少しテレビを見た。

 

勝利の根拠の不在。帰属意識を失くした者の愚かさ。娯楽の観念の放棄。社会を疾うに探究してしまったのだ。いつかは再構築するつもりだった処世術は、実はもう調べ尽くしていた。幻想的地位に群がる諸々が奴隷と分かって嬉しかったわたしは、それに拘束されるばかりに無力に震える線と化していたのである。また始まった。貴様は怠惰に貪るな。抽象の世界に甘んじるのを禁止してしまえ。ああ、何とも説得力を備えない声。よく分からない思念のために全ては色褪せる。ついこのあいだ結論した理想も、有意義な将来とあんなに歓喜して迎え入れたのに、魅力的な色彩を失ってしまった。何一つ愉しくない。努力せずとも湧いてきた情熱は今では、身体のすべてを隈なく探しても、見つけることが出来ない。

 

 

胸の不快感を拭い去れぬ焦燥感。全てに負の傾向を与える世界が、室内を超えて真っ暗な夜いっぱいに不気味な膨張を始めた。どうすることも出来ない私は、その空間の異常さをさしおいて、意識が遠退くのをただ待ち侘びた。もちろん、目を瞑るだけであった。

 

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2009/01/03 23:40 | Comments(0) | TrackBack(0) | 未選択

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