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2024/04/24 07:47 |
無タイトル
「人生ゲームをしよう」とW君が声をかけて始まった。ぼくは大学を出て、サラリーマンになるも、借金、借金、家を売り払い、それでも、ゆっくり前に進んだ。ぼくが困難に見舞われていると8人の友人は、もうずっと前に居て、ゴオル目前。とても楽しそうにゲームを為てぼくもそれなりに進めていたから終焉をも見越していたし特に悔やむこともなく、サイを振った。順風満帆であったはずの50の誕生日にぼくは、自らそのマスを踏んでふりだしへと戻ってしまったのであった。あれは人生ゲームではない、双六であったか。「たにんにかんしんをもてばいいよ」と、助言をくれるものがあった。
ぼくは部屋の中ひとり。そのゲームを続けて、終わるまで繰り返した。ともだちはみんなそんなぼくに付き合い飽きて、外に遊びに行った。かれらは交流を深め、知人を増やし、下らない会話、ともすれば生活哲学を議論して、恋愛をして、好きな職に就いて、じぶんの好きな将来を語り合った。ぼくは日が暮れるまでサイを振っていた。
 
 
――違う、真摯に対峙していたのは正しくわたしで云々、一同一笑。皆さんもこんな話に付き合っているようでしたらご退屈でしょうから、此れにて御開き、と立ち上がる群衆のガタンという音に包囲されて、眼球は一点の居場所を貪ろうという義務につかまり、なけなしの社交性を周りに振り撒き、いやあ残念でした、次回は成長して、と内では上下左右の基軸はすでに乖離、気づけば電車がくるのを待っていたのです。急停車。神が存在しないことを示したあの日を懐かしんでいたら次第に嫉妬心に変質しゆくわたしの魂が、駄文。何か悩ましい顔をしたある少女が、面白い漫画なぞ読んで手の裏返すが如く笑顔を溢すのを人は、偽善であると叫ぶが其れは誤解で、少女の心はある楔を深くに打ち込んでいて、取り除こうとしても容易なものでもなく、永久に表面的な享楽に打ちひしがれる他ないことを示していて、だからと言って実際うまく掬い取ったとしても其れは少女が元の少女に統一されることは生涯体験されうぬことを含意しており云々、ふっと活字から顔を退け、分からないなあと戯言を吐いた貴様の醜き面容、焼き付け、我は墓場までその悔恨を忘れぬ積もり。分かると自慢げに即答した貴様、其の嫌らしい肺に、奴隷ども、幾本もの火矢を沈めにかかって殺せ。直ちに殺せ。
もし神がいたとするなら、この世界にアルゴリズムを最初に与えた存在であるそうな、とわたしは過去にそう聞いたことがある。論理的な骨格をあらゆる生命に寄与して数億光年、それが氾濫をおこして居るのが今日の現状であるが故、わたしたちはよく分からない議論によってその自己を保持して居るにすぎず、あらゆる「生産」「非生産」にただ一喜一憂するのみなのだという。存在するか否かも実証されぬ人生に或る観念を投じて、いかによく生きるべきかについて骨折り迷走を続けるのである。それを理解すれば、皆さんは何が無意味なことであるかについて重要な見地を与えられたも同然です、と奢り高き奴隷の鳴き声、ノイズのように映像に交じり、やり直し。やり直しと、佳作に成った。
馬鹿を云え。神の地位を確信する者は皆、人間の地位から堕落してゆくのだ。ぽかんと大きく広がった落とし穴に身を投げ入れて、抽象的な宇宙を醜い魂のかたまりが鈍く落下、速度を増す姿、時間を数えても位置が知れる気がしなかった。何一つ新しい発表で無い。余計に醜態をさらして何が嬉しい。目出たき人間を演じるな。
工面をして喋繰る、健康なパッションを探るも検出とならず、唯己とは相違する人々の非難の声を届き入れ、無様な顔をだらしなく、表出、薄ら笑いで、人格崩壊者を演じる、此の歴史。経歴。口述史。人類の徒党を組んだ、と思えた或る晴れた日の白昼、駅の安い喫茶での出来事は、悲鳴をあげて崩壊、わたしは無様に其れを凝視めるだけで、包丁を首にジリジリ近づけて、ウー、ウーと崖から落ちた獰猛な獣の惨めさ、凄まじく嫌悪を催す声、足並みを揃えない貴様の天命、と兵隊は銃を突きつけ、パァンと静寂の森に響く音、「岩に染み入る蝉の声」と異様の文句が口をついて出て、その子どもは立派な政治家さんに成ったんだって。よかったよかった。「Aくんはもっと、ひとにかんしんをもてばみちをひらけるよ」。
気持ちが分からないでもない、と呟いたら、あたりは騒然、ご同行願いますと声がしたのを探して右向き、左向き、なんだ幻覚か、と悟ってペンチでやったらグシャリ、真実みを得て、有名人。

 
偏見を罵倒したはずがもはや謬見に支配された情念が身体に息づき、正論が何も言えぬ、打算的にもなれぬ、正攻法にも身を投ぜぬ、のっぺりとした信念を纏い、社会的な理想と高次元の理想の葛藤が押し寄せて茫然、真摯なる、なけなしの態度も忘却して、無気力的に、ともすれば生気すら喪失して居る、その人間は帰途を見失って居た。勝利の名誉に与らんとする虚栄を見せる愚者の浅薄の姿。堕落を尽くして最期を待つ。
――ああ寝ていればいい、全てを投げだして。貴様は眠ればいい。 
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2009/06/21 08:32 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択

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